2013年10月5日土曜日

愚か者ほど出世する ピーノ・アプリーレ


古本屋で偶然見つけた本。「愚か者ほど出世する」タイトルに惹かれました。作者のピーノ・アプリーレさんはイタリア人でジャーナリスト。他の著作は「ヘマな奴ほど名を残す」。おそらくこの2冊だけしか日本では出版されていないはず(現地イタリアでも他に出版物があるのか知りませんけどね)。

どうしてバカがこんなにたくさんいるのだろうか」そんな作者の疑問提示からこの本はスタート。動物行動学者ローレンツ教授との運命的な出会いがあり、その縁で彼の友人であるオーストリア人の哲学者と文通による議論を交わすことになります。

前書き後書きを除き全8章からなる本編は、章のはじめにその哲学者からの手紙がまず提示され、それに作者が反論をする、といった感じで進みます。基本的にこの二人は議論が噛み合いません。もともと根っこにある信念が違う二人。そのズレ方が面白い。

作者が提唱する「バカに関する9つの法則」というのがあります。
バカは生きのび、利口は滅びる」や「現代人はバカになるために生きている」だとか「人間は寄れば寄るほどバカになる」などなど、思わずウンウンと頷きたくなる痛快なフレーズ。私はこういうの好きです。

本編には関係ありませんが残念な点がひとつ。安易な「バカ」つながりからなのか、大ベストセラー「バカの壁」の著者、養老孟司さんが前書きをしています。養老さんの本は好きですけど、この前書きはいらないでしょう。まあ読み飛ばせばいいだけなんですけど。

5段階評価で3つ。ためになるかは別にして、面白いってことは間違いありません。


にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿