2013年10月19日土曜日

ひまわり イタリア映画


ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニ主演、1970年公開のイタリア映画「ひまわり」。監督はヴィットリオ・デ・シーカ、音楽はヘンリー・マンシーニ。おふたりとも巨匠と呼ぶに相応しいお方。監督は他に「自転車泥棒」「終着駅」「昨日・今日・明日」などで知られています。音楽のヘンリー・マンシーニはさらに有名ですね。「ティファニーで朝食を」「酒とバラの日々」「ピンクパンサー」などなど。

第2次大戦中、海辺で出会ったジョバンナと兵士アントニオはすぐに結婚。結婚した兵士に与えられる12日間の休暇を過ごします。楽しく情熱的な日々はあっという間に終わり、アントニオは寒さ厳しいロシア戦線へ。

アントニオの安否もわからぬまま数年が経ち、やがて終戦。彼の写真を手に、引き上げ列車の着く駅のホームをさまようジョバンナ。しかし彼の姿は見当たらず、、、。彼の生存を信じ、諦めきれない彼女は少ない情報を手掛かりにソ連へ向かいます。途中列車から見える一面のひまわり畑。

あちこちさまよった末、ようやく彼の居場所に辿り着きます。しかしそこに居たのは若いロシア人女性と小さな子供。その女性は雪の中で倒れている瀕死のアントニオを助けてくれた人でした。そして駅のホームでついにアントニオとジョバンナは再会。ホームの端と端とで見つめ合うふたり。そこでジョバンナがとった行動は、、、、。

反戦と切ないラブストーリー。結ばれる運命のふたりを容赦なく引き裂く戦争。勝っても負けても武器商人以外は仕合わせになれないのが戦争。それでもなぜ人は戦うのでしょうか。日本の漫画/アニメ「はいからさんが通る」もこんな感じの設定がありましたね。あれは日露戦争でしたか。紅緒と少尉、懐かしい、、。

この映画はなんといってもソフィア・ローレンですよ。冒頭の華やかなジョバンナとその後のジョバンナ。演技の使い分けが見事です。疲れた未亡人風でも、美しさは微塵も損なわれていないのがまた凄い。彼女のような圧倒的な女優というのは、今後もう出てこないのではないでしょうか。

私の好きなシーン。ロシアへの出征前、トイレで抱きあうふたりを映す薄汚れた鏡。その鏡に一筋の亀裂が入っているのです。その後のふたりを暗示してるような、気の利いた演出だなぁと思いました。神は細部に宿るのです。

ラストシーンのジョバンナの表情、そしてエンドロールの一面のひまわり畑。満開に揺らめくひまわりが、もの悲しい、、。ヘンリー・マンシーニのテーマソングがさらに感情を揺さぶります。

この映画のせいで、満開のひまわり畑を見ると胸が詰まってしまうようになりました。

5段階評価で5つ。これぞ不朽の名作というやつでしょう。ソフィア・ローレンの美しさが、ただただ光り輝きます。


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