2013年10月3日木曜日
東京奇譚集 村上春樹著
村上春樹「東京奇譚集」。
フィクションとノンフィクションの隙間にあるような5つの物語。
村上春樹さんをご存じない方はいないでしょう。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森」「1Q84」そして最近作は「色彩を持たない多崎つくると巡礼の年」。まさにベストセラー目白押し。近いうちノーベル文学賞も取るのではないかと思われる大作家です。
そんな村上さん、熱烈なファンも多い反面、全く受け付けない人もまた少なくないかと思われます。私もどちらかというとニガテにしておりました。あの比喩だらけのクドい言い回しが好きになれなかったんですよ。登場人物のセリフの端々にはスノッブさが多々感じられますし。
その思いを変えたのがこの作品。なんでかわからないけれど手にとってしまいました。5篇あるうちの最初にある「偶然の旅人」。私はこれが一番好きです(この本の中だけでなく、私が読んだ村上さんの全作品の中で)。
相変わらずオシャレな会話をする主人公と彼女ですが、それほど嫌味には感じず、スッと物語に入り込めました。それに文章がクドくない。「1Q84」あたりは私にとってガマン大会のようなものでしたけど、これはサラッと読めるのです。短編てこともあるんでしょうが。
5段階評価で☆4つ。村上春樹はニガテだ、という方にぜひ読んでみてもらいたい作品です。
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