2013年9月19日木曜日

親鸞 (五木寛之著)


五木寛之さんの「親鸞」。これにはやられました。素晴らしい作品ですねぇ。

学生時代のトラウマか、仏教(に限らず宗教関連)ものは、これまで避けてきました。日本史の授業は大好きだったのに、鎌倉仏教で躓いたのです。どうやっても覚えられなかったんですよ、法然とか日蓮とか、、臨済宗とか曹洞宗とか、、、。

そんな私なもので、自発的には「親鸞」など手に取ることはなかったでしょう。しかし知人の強いプッシュと偶然の巡り合わせから読むことになりました。

読み始めたら、面白いこと面白いこと。寝るのも惜しんで一気読みでした。

魅力的な登場人物に支えられた主人公(親鸞)の成長、活劇調のシーン、ちょっとセクシーなラブストーリー。上下巻まったくスキがありません。一級品のエンターテイメント作品です。

ただ「親鸞伝記」と呼ぶにはちょっと違うかなと思います(詳しくないのでわかりませんが)。浄土真宗を研究しているような正統派の方々は、ちょっと首を傾げる箇所が多々あることでしょう。ただ全く無知な私のようなものにとっては、浄土宗、浄土真宗を学ぶ取っ掛かりとして最高の手引書だと思えます。

そして特筆すべきはルビの振りかた。とにかく親切なんです。多くの本でも難読漢字にはルビが振られていますが、それはほとんど初出の場合だけ(100ページくらい後にまた振られることもありますが)。しかしこの作品はページが変わるたび、また同じルビが振り直されているのです。読み方を知るために何ページも前を彷徨うことなく読めるのは有り難いのひとこと。

5段階評価で文句ナシ、5つ。仏教が嫌いでも一読をオススメします。

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