2013年11月30日土曜日

さんかく 日本映画


監督は「机のなかみ」「純喫茶磯辺」に続くオリジナル脚本3作目の吉田恵輔。主演は高岡蒼甫田畑智子小野恵令奈のお三方。小野さんは今作の出演がAKB48を辞めるきっかけになったといいます。

30歳の百瀬(高岡)と29歳の佳代(田畑)は同棲して2年。マンネリ感が漂い始める時期の二人の元へ、佳代の妹で中学3年生の桃(小野)が、夏休みを利用して遊びに来た。自由奔放な桃に振り回される百瀬と佳代。百瀬は桃の誘うような仕草にドギマギし、次第に惹かれていく。しかし夏休みも終わり、桃は実家に帰ってしまうのだが、、、。

タイトル「さんかく」が示す通り男女の三角関係のお話なんですけど、普通の三角関係じゃなく想いが一方通行なのです。桃が帰った後、百瀬と佳代は別れてしまうのですが、佳代は百瀬が大好きで忘れられません。対する百瀬は桃へ気持ちでいっぱい。二人ともそれぞれの相手に対し、ホントにしつこいです。

しかしこの二人を馬鹿な奴だと笑うことができるでしょうか。恋をしたことのある人ならば、程度の差こそあれ、この二人の気持ちは理解できるのではないでしょうか。一歩間違えば犯罪になってしまいますけど、器用な人ばかりが住む世の中ではないのです。

小悪魔のような小野さんがいいですね。女性からは嫌われる女かもしれませんが、多くの男性は惑わされてしまうようなシチュエーションではないですかね。後ろめたさを感じてしまうことも気持ちを高ぶらせる要因になります。

そして田畑さんの演技が光ります。しっかり者のお姉さんからストーカーじみた女へ、そしてラストカットの表情。この人ホントいい女優さんですね。

5段階評価で4つ。こういう作品が公開されているうちは、まだまだ日本映画も大丈夫だと思います。


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2013年11月26日火曜日

バタフライ・エフェクト アメリカ映画


2004年公開のアメリカ映画。「バタフライ効果」をテーマにしたストーリー。日本での公開は2005年です。

バタフライ効果とは「ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから遠く離れた場所の天候に影響を及ぼす」。言い換えれば「初期条件のわずかな差が時間とともに拡大し結果に大きな違いをもたらす。それは予測不可能である」というような感じですね。結構有名な説で広く世に知られていると思います。

日常生活の中で、たまに記憶が飛んでしまう少年エヴァン。正気に戻った時に身の回りの物事が経過していて戸惑うが、大きくなるにつれその症状は無くなった。そして大学生になったエヴァン。ある日、ずっと書き続けていた日記を読んでいると文字が歪み、子供時代の記憶が欠落していた場面に戻る。

日記を読むことでその時の自分に戻れると気づいた彼は、自分が選択を誤ったせいで、友人たちが幸福でない今を生きていることを知り、過ちを正し未来を変えようと奔走する。しかし全員が救われる未来はなかなか手に入らない。最後に選ぶターニングポイントは、、、。

これは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のようなタイムスリップものとは少し違い、現在の肉体が過去へ行くわけではありません。意識だけが移動するので、身体は昔の子供の姿で心が今の自分になるのです。その昔記憶が飛んでいたのは未来の自分が意識に入り込み、心が入れ替わっていたからなんですね。

主人公エヴァン、毎回鼻血を出しながら過去へ飛び頑張ります。しかしこっちを立てればあっちが立たず、といった感じで、すべて丸く収まる未来はなかなか手に入りません。結末が読めず、最後までハラハラ・ドキドキが止まりませんよ。

この映画を観て、人生は常に選択の連続なんだと改めて思い知らされました。「あの時ああすればよかった、そしたら今こんなことには、、、」なんて考えたことが、誰でも何度かあるはずです。

人生には大小様々なターニングポイントが仕掛けられています。選択をやり直したいことは数多くあれど、それが今以上の人生に繋がるかといえば、それは全く保証されません。常にベストの選択をしてきたのだ、そう思って生きていくのが精神衛生上、最もすぐれた選択なのでしょう。

売り物のDVDにはエンディング違いの「ディレクターズカット版」が同梱されています。究極にはこのバージョンもアリだと思いますけど、綺麗に終わっている公開版のエンディングが私は好きですね。

今作が好評だったためか、続編が2つ作られています。続編といっても「過去へ飛んで未来を変える」っていう設定が同じだけで中身は別モノです。この続編2作品には大きな期待をしてはいけません。

5段階評価で4つ。近頃人生にお悩みの方、そうでない方、ともにオススメします。観る選択と観ない選択、どっちがいいかわかりませんがね、、、。


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2013年11月21日木曜日

ライフ・イズ・ビューティフル イタリア映画


1997年イタリア映画。日本での公開は1999年です。ジム・ジャームッシュの「ダウン・バイ・ロー」「ナイト・オン・ザ・プラネット」などで印象に残る演技をしていたロベルト・ベニーニが監督・脚本に加え、主役のグイドを演じています。カンヌ映画祭グランプリ、米国アカデミー賞の主演男優賞、外国語映画賞など、受賞は多数。

舞台は1939年の北イタリア。陽気な性格のユダヤ系イタリア人グイドは、小学校教師ドーラと駆落ち同然で結婚。可愛い息子ジョズエにも恵まれた。しかしそんな幸せな日々も、第二次世界大戦の足音に掻き消される。ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害で、3人は強制収容所に送られてしまった。

母と引き離され不安がるジョズエにグイドは「これはゲームなんだ。いい子にしていれば点数がもらえる。ゲームに勝ったら本物の戦車に乗っておうちに帰れるんだ」と嘘をつく。いつ終わるともわからぬ絶望的な収容所生活を、グイドは持ち前の明るさでジョズエを励まし、自分を励まして生き抜いていく。そしてついに戦争が終わる、、、。

物語前半は完全な喜劇で、監督主演のロベルトさんの独壇場。あの手この手でドーラに近づきモノにする様を、面白おかしく描いています。このままドタバタなお話なのかと油断していると、後半は収容所に送られてシリアスな展開に。といっても舞台がシリアスになっただけで、主人公のキャラクターは変わらないんですけどね。

息子のジョズエ役のジョルジョ・カンタリーニが可愛い。同じイタリア映画の傑作「ニュー・シネマ・パラダイス」のトトを彷彿とさせます。収容所は男女別にされるので、後半はずっと父と息子の物語なんですよね。めげない父と、父を素直に信じる息子。

終戦を迎え、映画もラストシーンへ。離ればなれの家族はまた一緒になれるのか。感動のエンディングは、、、。

5段階評価で5つ。「映画とは斯くあるべし」といいたくなる、そんな映画です。ラストで号泣してしまいました。父子の物語は身につまされます。


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